論文募集
全体セッションと討論中心のテーマ別セッションを設けます.下記7つの討論テーマの中から参加希望テーマ(1つのみ)をご検討ください.
討論テーマ
T1: 開発者とツールのインタラクション
プログラム解析やソフトウェア開発状況の分析などによって得られる様々な情報は,最終的には開発者が利用する開発環境,ツールを通して開発者に提供される.そのため,開発者とツールがインタラクションを行う方法も,技術の有効性や有用性を決める重要な要素の1つとなっている.本セッションでは,インタラクティブな解析・可視化ツールのアイディアや開発の経験,開発者のツールの使い方に関する分析や考察,他人にツールを提供し使用してもらったことによって得られた知見,ツールを他人に使用してもらうことへの心理的・社会的・技術的な障壁など,「開発者がツールを使う」ことに関する産学の参加者の知見を共有し,望ましいツールの形や今後取り組むべき課題について議論したい.
討論リーダ:
石尾 隆(大阪大学)
畑 秀明(奈良先端科学技術大学院大学)
小林 隆志(東京工業大学)
T2: ソフトウェア開発データの分析と応用
近年,産学の双方において「ビッグデータ」が一つの重要なトピックになってきている.ソフトウェア開発も例外ではなく,ソースコードやその開発に関わる作業履歴,不具合情報といった多種多様で膨大なデータに対してマイニング技術や統計解析手法を適用し,品質の維持・向上に向けたさまざまな取り組みが研究・実践されきている.昨今では,ソフトウェア工学と他分野(自然言語処理,知能情報処理,ゲーム理論,社会学,心理学等)との融合研究が増加しており,さらなる研究分野の発展が期待される.
本セッションは,そのような開発データの分析方法並びに開発・管理への応用方法について産学双方の立場から情報の共有と議論を行い,より優れた手法の開発と実践に向けた取り組みを支援する場としたい.
ソフトウェア開発データの収集,分析及び応用に関して,産学双方からの幅広い提案・話題提供を歓迎する.なお,報告・提案を中心としたプレゼンテーションだけでなく,実験結果,データセット,執筆中の論文といった素材について議論したいという提案も広く受け付ける.
討論リーダ:
阿萬 裕久(愛媛大学)
伊原 彰紀(奈良先端科学技術大学院大学)
T3: 形式手法 -産学連携で普及拡大を目指す-
現在のソフトウェアは大規模化かつ複雑化が進んでおり,開発コストの削減ならびに高信頼性の実現のため,形式手法の適用への要求が高まっている.しかしながら,国内において,産業界と学界との連携は十分になされているとはいえない.本セッションでは,産学の連携による形式手法の普及拡大について議論することを目的とする.
産業界からは,現場での適用事例や蓄積したノウハウ,企業内での運用方法,取り組み等の「具体的な活動」を報告して頂きたい.学界からは,最新の理論や技術,研究成果,それらの実現可能性等を報告して頂きたい.研究の途中経過報告,学生への教育実践報告なども歓迎する.産学で共通的な話題としては,形式手法の現状,今後の展望,将来のあるべき姿について問題提起,報告をいただきたい.
本セッションでは,ソフトウェア検証,プログラム解析技術,ハードウェア検証,形式仕様記法,SAT/SMTの応用,テスト自動生成,セキュリティ,規格(IEC/ISO etc),ツール開発など幅広い話題に関する報告・提案を歓迎する. 企業と大学との共同研究プロジェクトの企画も考えていきたい.
討論リーダ:横川 智教(岡山県立大学),早水 公二(フォーマルテック)
T4: パターンとモデリングおよびアジャイル開発
建築の分野で始まったパターンおよびパターンランゲージの概念は,その効果的な抽象化の仕組みに基づき,オブジェクト指向やアーキテクチャ設計,アジャイル開発におけるノウハウの収集と記述の基盤となっている.さらに今日では,ビジネスや組織におけるモデリング技術としても注目されるなど,さらなる発展が期待されている.
本セッションでは,ソフトウェアパターン技術を核として,周辺のアジャイル開発や設計・モデリングを含めた幅広い領域でポジションペーパを募り議論して理解を深めたうえで, テーマを絞りその場で論文を分担執筆する.過去,WWS2013では,共同でパターンのメタモデリングおよび論文執筆を行い,成果は論文誌や国際会議に採択された(例: http://goo.gl/KmesmT ).WWS2014では,アジャイル開発プラクティス間の関係を分析して論文を執筆し,今後対外的な投稿を予定している.今回のWWS2015についても実際に集中議論し手を動かす「ワークショップ」の実施により質の高い成果を生み出すことを目標とする.
討論リーダ:鷲崎 弘宜(早稲田大学),鹿糠 秀行(日立製作所)
T6: 「CPSつくり」のソフトウェア技術
Software Technology for Engineering Cyber-Physical Systems
Cyber-Physical Systems(CPS)は,2006年に北米NSFが提案したソフトウェア中心システムの新しい規範である.以来,欧州のHorizon2020に代表されるように,組込みシステムの新しいソフトウェア・パラダイムとして関心が高まってきた.ソフトウェア技術なくして,社会基盤を構成するシステムを語れなくなったことを共通認識とする.CPS構築に際しては,社会にもたらすリスクの低減が必須課題になる.一方で関わる技術は,「リアルタイム計算」,「フィードバック・自己適応性」,「定量性」,「確率・統計手法」など大きく広がり,現状,混沌とした中での技術開発が進む.これらの関係を整理し,新たな技術体系を構築する必要があろう.
本ワークショップでは,リアルタイム計算や形式手法の研究者が集まり,ディペンダブルなCPSの技術に関して議論する場を提供したい.
討論リーダ:中島 震(NII),青木 利晃(JAIST)
T7: ソフトウェア開発技術の次の10年
10年前と比べ,コンピュータシステムの性能も大きく向上し,ソフトウェアが導入される領域も益々幅広くなってきている.コンピュータシステムの多様化,大規模化に伴い,ソフトウェア開発のあり方も大きく変わってきた.ソフトウェア開発を支える,モデル駆動開発やソフトウェアプロダクトラインなど,ソフトウェア開発技術も様々なものが取り入れられてきている.
本セッションでは,現時点での最新技術の紹介と,近年の技術動向を踏まえ,次の十年へのマイルストーンとなるような議論を期待する.ポジションペーパーとして,自身の技術動向の紹介とともに,今後のソフトウェア開発がどのように変化していくのか予想を募集する.
討論リーダ:細合 晋太郎(九州大学)